背景事情
東京都杉並区に住む82歳の男性Kさんが、亡くなった姉(Aさん。享年94歳)の相続手続きについてご相談に来られました。Aさんには子供がおらず、相続人は、Kさんと亡くなった弟の子供4名(代襲相続人)の5名でした。しかし、そのうちの1名が長年連絡が取れず、居所も不明な状態でした。また、相続人ではないAさんの亡夫の長女(亡夫の前妻の子供)が、生前財産管理を行っており、葬儀費用や医療費、法要費用を立て替えていたため、相続財産の中から精算する必要がありました。しかし、相続人同士の直接のやり取りが難しく、Kさんは手続が進められず困っておられました。
当事務所の対応
〇居所不明の相続人への対応
まず、戸籍の附票を取得し、居所不明の相続人の住所を特定しました。その後、手紙を送付し慎重に連絡を試みたところ、相続の話合いに応じる意向を示してくれました。ただし、「他の相続人には自分の居所を知られたくない」との強い希望がありました。
〇葬儀費用等の精算
Aさんの財産管理を行っていた亡夫の長女と連絡を取り、相続開始前後の財産の流れを詳しくヒアリングし、立て替えた費用の内訳を整理しました。
〇「相続財産の調査と遺産分割協議
相続財産は預金1,000万円のみと比較的シンプルな内容でしたが、相続人が一堂に集まることが難しい状況だったため、全員に手紙や電話で意向を確認しながら、遺産分割協議書を作成しました。なお、この遺産分割協議書の中に、亡夫の長女が立て替えていた葬儀費用等を相続財産の中で精算することについても記載いたしました。
〇協議の成立と手続の完了
相続人全員の同意を得たうえで、遺産分割協議書に署名・押印をもらい、相続手続きと亡夫の長女が立て替えていた葬儀費用等の精算を無事に完了しました。
解決のポイント
〇居所不明の相続人に慎重かつ丁寧にアプローチし、意向を尊重した形で協議を進めたこと。
〇葬儀費用や医療費の精算について、公平性を保ちつつ全員が納得できる形でまとめたこと。
〇相続人同士が直接やり取りをしなくてもスムースに手続が進むよう、当事務所が調整役を担っ たこと。
結果・お客様の声
Kさんから以下のお言葉をいただきました。
「自分たちでは解決できなかった問題を、丁寧に整理して進めてもらい、本当に助かりました。特に、居所不明だった相続人とも連絡が取れ、スムースに手続を終えられたことに感謝しています。」
このように、相続人の状況に応じた適切な対応を行うことで、スムースな手続を実現することができました。

相続でお困りの際は、ぜひご相談ください