背景事情
「私たちがいなくなった後、この子はちゃんと生活していけるのか……?」
東京都世田谷区にお住まいのSさんご夫婦(ご主人84歳、奥様80歳)は、長年抱えてきた不安を解決するために相談に来られました。お二人には53歳の長女と48歳の長男がいます。長女は結婚して家庭を築いていますが、長男は精神障がいを持ち、独身のまま両親と同居。就職後15年ほど働いたものの、病気を理由に退職し、それ以降は引きこもりがちになり、ご夫婦の援助を受けながら生活しています。
Sさんご夫婦は、それぞれに多くの資産をお持ちでした。ご主人は長年中小企業を経営し、自宅不動産のほか、預貯金や株式を含め4億円を超える財産を築かれました。奥様もご自身の親から相続した複数の不動産、預貯金、株式など2億円を超える資産があります。
「私たちも高齢になり、最近は体力の衰えを感じることが増えました。長男の生活がどうなるのか不安で……元気なうちに、できることをしておきたいと思ったんです。」
しかし、具体的に何をすればよいのか分からず、以前お世話になった弁護士に相談。そこで相続専門の司法書士である私を紹介され、ご相談に至りました。
解決のポイント
〇財産の全体像を正確に把握し、相続税のシミュレーションを行うこと。
〇相続税対策のため、税理士と連携して計画を立てること。
〇ご夫婦の希望や長女の意向を整理し、最適な相続対策を検討すること。
〇長男の財産管理について具体的な仕組みを考えること。
具体的な対策と実行
まず、ご主人と奥様それぞれの財産を整理し、財産承継に関するレポートを作成しました。
資産状況を分析すると、流動資産が十分にあるため、相続税の支払いには問題がないことが分かりました。ただし、自宅不動産の評価が高く、このままでは多額の相続税が発生する可能性がありました。そのため、「小規模宅地の特例」を活用し、節税の効果が期待できる方法を税理士と連携していくつか提示しました。
しかし、ご夫婦にとって最大の懸念は「長男の財産管理」でした。
「長男に財産を直接残してしまったら、適切に管理できるかどうか心配です。」
また、長女は弟のことを常に気にかけており、できる限りのサポートをしたいと考えていました。そこで、以下の対策を実行することにしました。
①公正証書遺言の作成
長男を交えた遺産分割協議は困難なため、ご夫婦がそれぞれ公正証書遺言を作成し、財産の分配について明確に定めました。遺言執行者には私が指定され、スムースな手続きをお約束しました。
②家族信託の活用
ご夫婦を委託者、長女を受託者とする家族信託契約を締結しました。これにより、長男のための財産を長女が管理し、長男自身が直接財産を持つことなく、安定した生活を送れる仕組みを作りました。
「これで、親としての責任を果たせたような気がします。」
ご夫婦の目には安堵の色が浮かんでいました。
お客様の声
「長年、不安に思っていたことが、ようやく解決できました。どこに相談すればいいのかも分からず、悩んでばかりいましたが、先生に相談して本当によかったです。私たちがいなくなった後も、長男が安心して暮らしていけるようになったことが何より嬉しいです。」
「家族信託なんて聞いたこともなかったけれど、先生に丁寧に説明していただき、納得したうえで決めることができました。今はとても安心しています。」
相続は単に財産を分けるだけでなく、家族の未来を守るための大切な手続です。今回のケースのように、相続対策を早めに行うことで、不安を取り除き、安心して老後を迎えることができます。
本件のようなコンサルティング業務では、詳しく相談内容を伺った上で業務提案書(御見積書)を作成し、ご納得いただいてから業務を開始します。

相続でお悩みの方は、ぜひご相談ください。