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休眠預金の扱いとは?法律上の仕組みと取り戻す方法をわかりやすく解説

  • 投稿:2025年04月20日

使われていない銀行口座が「休眠預金」になると、法律に基づき国庫に帰属することがあります。しかし、条件を満たせば元の預金者が取り戻すことも可能です。本記事では、休眠預金の法律上の扱いや「国庫に帰属」とは何か、そして預金を取り戻す方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。

休眠預金とは何か?

銀行に口座を持っていても、長期間お金の出し入れをしていないと、その口座は「休眠預金」として扱われることがあります。一般的には、10年以上取引が行われていない預金口座がこれに該当します。入出金や通帳記入、ATMでの操作、インターネットバンキングの利用などが一切ない状態が続いた場合、その預金は金融機関側で「使われていないお金」とみなされます。

ただし、休眠預金となってもすぐにお金が失われるわけではありません。金融機関は一定期間、預金者に対して通知や再確認の手続きを行います。それでも連絡が取れず、預金の動きがないまま一定期間が経過すると、法律に基づいて特定の扱いがされるようになります。

休眠預金の法律上の扱い

休眠預金は、単なる未使用の預金ではなく、法律に基づいた明確な取り扱いが定められています。2019年1月から施行された「休眠預金等活用法(正式名称:民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律)」により、10年以上取引がない預金のうち、預金者と連絡が取れず、金融機関が確認を尽くしても動きがないものについては、「休眠預金等」として国に移管される仕組みが整いました。

この制度の目的は、放置されていたお金を福祉や教育、地域活性化などの公益活動に役立てることにあります。ただし、これは預金者の権利が失われることを意味するものではなく、該当の口座を持っていた本人や相続人が名乗り出れば、いつでもお金を取り戻すことが可能です。つまり、「法律で国に移される=失われる」というわけではなく、一定のプロセスを経ることで返還が受けられる制度となっています。

「国庫に帰属」とはどういう意味か

「休眠預金は国庫に帰属する」と聞くと、多くの人が「お金が国に没収されるのでは」と心配になるかもしれません。しかし、ここで使われる「国庫に帰属する」という言葉には、法的にきちんと定義された意味があります。

国庫に帰属するとは、金融機関が一定の手続きを踏んだうえで、休眠状態となった預金を国に引き渡すことを指します。ただし、これは国がそのお金を自由に使うという意味ではありません。引き渡された資金は、民間の公益活動を支援するための特定目的に使われることになっており、監督機関の管理下で運用されます。 つまり、「国庫に帰属する」とは、あくまで使われていなかった預金を社会のために活用するための制度的な措置であり、元の預金者の権利が完全に失われるものではありません。本人が申請すれば、原則としていつでも返金を受けることができますので、必要以上に不安を感じる必要はありません。

休眠預金を取り戻す方法

休眠預金を取り戻すには、まず該当の預金口座を保有していた金融機関に問い合わせる必要があります。口座番号や通帳、キャッシュカードが手元にあればスムースですが、これらがなくても、本人確認書類と照らし合わせながら確認作業を進めてもらうことが可能です。

具体的な手続きとしては、金融機関の窓口や公式サイトで申請書類を入手し、必要事項を記入したうえで、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類と一緒に提出します。提出後は金融機関側で該当する休眠預金があるかどうかを調査し、あれば返金手続きに入ります。時間はかかることもありますが、適切に手続きを行えば、休眠預金を取り戻すことは可能です。 また、相続人が休眠預金を請求するケースもあります。この場合は、戸籍謄本や相続関係を証明する書類など、より多くの書類が必要となるため、事前に金融機関に確認することをおすすめします。いずれにしても、制度として取り戻せる道が用意されているため、「預金が消えてしまった」と諦める必要はありません。

知っておきたい注意点と確認のすすめ

休眠預金に関して最も大切なのは、「自分の預金がどうなっているかを把握しておくこと」です。特に引っ越しや結婚などで名字や住所が変わった場合、古い口座の存在を忘れてしまっている人も少なくありません。長年使っていない口座でも、預金が残っていれば休眠預金として扱われる可能性があります。

また、通帳やキャッシュカードが手元にないと確認が難しくなるため、口座の管理はしっかり行いましょう。放っておくと、預金が国に移されてしまうこともありますが、あくまでそれは「社会に役立てる」ための措置であり、制度として取り戻すことができる点を理解しておくことが重要です。 休眠預金の確認は、金融機関の窓口だけでなく、インターネットバンキングや電話でも問い合わせが可能な場合があります。心当たりのある方は、まずは確認をしてみることをおすすめします。預金の存在を知っていれば、しっかりと取り戻すことができる制度が整っているので、安心して手続きを進めてください。

まとめ

休眠預金とは、長期間使われていない預金口座のことで、法律により一定の条件を満たすと国庫に帰属する仕組みが定められています。これは単に「お金が国に没収される」ということではなく、社会の公益活動に役立てられる制度の一環です。

しかし、預金者やその相続人が名乗り出れば、休眠預金はいつでも取り戻すことが可能です。そのため、自分自身が過去に開設した口座を定期的に見直し、忘れている預金がないか確認することが大切です。特に、転居や結婚などで口座の存在を忘れやすい人は注意が必要です。

確認手続きは比較的簡単で、金融機関に問い合わせれば丁寧に対応してくれます。休眠預金は失われるものではなく、正しい知識があればしっかり守ることができる資産です。安心して行動を起こしてみましょう。

よくある質問

○休眠預金とは具体的にどのような預金ですか?
休眠預金とは、10年以上入出金などの取引が行われていない預金口座のことです。預金者と連絡が取れず、動きのない状態が続くと「休眠預金等」として扱われ、一定の手続きの後に国庫に帰属します。

 ○休眠預金が国庫に帰属するとどうなるのですか?
国庫に帰属された休眠預金は、公益活動に役立てられる資金として使われます。ただし、預金者が名乗り出れば、国庫に移った後でも返金を受けることができますので、完全に失われるわけではありません。 

○休眠預金を取り戻すにはどうしたらいいですか?
休眠預金を取り戻すには、まず該当の金融機関に問い合わせてください。本人確認書類を用意し、所定の手続きに従えば、調査のうえ返金が可能となります。通帳やキャッシュカードがなくても対応してもらえます。

○預金が休眠状態かどうかはどのように確認できますか?
過去に開設した銀行口座のある金融機関に直接問い合わせることで確認できます。インターネットバンキングや電話、または店頭窓口でも相談が可能な場合がありますので、気になる口座があれば一度確認してみましょう。

○相続人でも休眠預金を取り戻せますか?
はい、相続人でも取り戻すことは可能です。ただし、相続関係を証明する戸籍謄本や遺産分割協議書など、追加の書類が必要になります。事前に金融機関に必要書類を確認しておくことをおすすめします。

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