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相続手続き中に相続人が亡くなる「数次相続」とは?放置リスクと代襲相続との違いをわかりやすく解説

  • 投稿:2026年05月08日
相続手続き中に相続人が亡くなる「数次相続」とは?放置リスクと代襲相続との違いをわかりやすく解説

相続手続きを後回しにしている間に、相続人の一人が亡くなってしまう「数次相続」が発生すると、相続人が増えて手続きが複雑になるケースがあります。さらに、代襲相続との違いが分かりづらく、「誰が相続人になるのか」で混乱する人も少なくありません。この記事では、数次相続の基本から、放置によるリスク、代襲相続との違い、早めに手続きを進める重要性まで、一般の方向けにわかりやすく解説します。

数次相続とは何か?

一言でいうと、「相続手続きが終わる前に、次の相続が発生してしまうこと」です。

通常、誰かが亡くなると「遺産分割協議(誰が何を継ぐかの話し合い)」を行いますが、その話し合いがまとまらないうちに、相続人の一人が亡くなってしまうことがあります。 このとき、亡くなった相続人が持っていた「遺産を分ける権利」を、さらにその人の相続人が引き継ぎます。これを法律用語では「権利義務承継人」などと言いますが、要するに「バトンを受け取る人がどんどん入れ替わり、増えていく」状態です。

「代襲相続」と「数次相続」の違い

多くの方が「亡くなった人の代わりに、その子供が継ぐんでしょ?」と考えます。しかし、実は「亡くなった順番」によって、登場人物が大きく変わるのです。

1. 代襲相続(先に亡くなっている場合)
例えば、兄が亡くなるより前に、弟が亡くなっていたケースです。この場合、弟の子供(甥・姪)が代わりに相続人になります。 ここで重要なのは、「弟の奥さん」には一切権利がいかないという点です。

2. 数次相続(後から亡くなった場合)
一方で、兄が亡くなった後、手続きが終わる前に弟が亡くなったケース(数次相続)はどうでしょうか。 この場合、弟は一度「兄の遺産をもらう権利」を手にしています。そのため、その権利は弟の相続人、つまり「弟の奥さん」と「子供」の両方に引き継がれるのです。 このように、手続きを一回分放置しただけで、血のつながらない「義理の妹(弟の嫁)」が遺産分割協議の正式なメンバーとして現れることになります。

第13回遺産相続物語 佐藤家のケースに見る「連鎖」の恐怖

第13回の遺産相続物語では、この数次相続がさらに複雑に重なりました。

  1. 武雄さんの死亡:当初の相続人は「奥様」と「甥2人」でした。
  2. 甥の死亡:独身・子なしだった甥の一人が亡くなったことで、それまで存在を知らなかった「異母兄弟(半血兄弟)」が権利を引き継ぎ、登場しました。
  3. 奥様の死亡:さらに武雄さんの奥様が亡くなったことで、今度は「奥様側の兄弟姉妹」が権利を引き継ぎました。

当初は身内3人だけで終わるはずだった話し合いが、手続きを放置している間に「面識のない異母兄弟」や「奥様側の親族」まで加わり、総勢9名の大規模な協議へと膨れ上がってしまったのです。

第13回遺産相続物語はこちら

なぜ「数次相続」は解決が難しいのか

数次相続が発生して、権利が「配偶者」や「疎遠な親族」に移ると、以下のような障壁が立ちはだかります。

  • 感情のズレ:武雄さんの苦労を知る親族と、権利だけを引き継いだ他所(よそ)の親族では、遺産に対する思い入れが全く違います。
  • 「とりあえず法定分」という主張:事情を知らない親族ほど、「よくわからないから、法律通りにキッチリもらう」と主張しがちです。
  • ハンコが揃わない:一人でも「会いたくない」「協力したくない」という人が出ると、不動産の売却も名義変更も一切できなくなります。

まとめ

相続手続きを進めている途中で相続人が亡くなる「数次相続」は、決して珍しいケースではありません。特に相続を長期間放置していると、相続人自身の相続が発生し、配偶者や子供、さらに甥姪へと関係者が増えていきます。最初は数人だった相続人が、気づけば10人以上になっていることもあります。

相続人が増えると、戸籍収集や遺産分割協議、不動産の名義変更など、あらゆる手続きの難易度が上がります。さらに、次世代へ進むほど親族関係が薄くなり、話し合いがまとまりにくくなるケースも少なくありません。

また、数次相続と代襲相続は混同されやすいものの、仕組みは大きく異なります。代襲相続では「子」が相続人になりますが、数次相続では亡くなった相続人の「配偶者」も権利義務承継人として関係してくるため、より複雑になりやすい点に注意が必要です。

相続は、「今困っていないから後回し」で済む問題ではありません。放置するほど関係者が増え、将来の家族に大きな負担を残してしまう可能性があります。 だからこそ、最初の相続の段階で早めに着手することが、結果的にもっとも負担を減らす方法になるのです。

よくある質問

〇数次相続とは何ですか?
数次相続とは、最初の相続手続きが終わらないうちに、相続人の一人が亡くなり、さらに次の相続が発生することをいいます。相続する権利や義務が次の相続人へ承継されるため、関係者が増えて手続きが複雑になりやすい特徴があります。

〇数次相続と代襲相続の違いは何ですか?
代襲相続は、本来の相続人が被相続人より先に亡くなっている場合に、その子供が代わりに相続人になる制度です。一方、数次相続は、相続開始後に相続人が亡くなるケースをいいます。代襲相続では主に「子」が引き継ぎますが、数次相続では亡くなった相続人の配偶者も権利義務承継人として関係してくる点が大きな違いです。

〇相続を放置するとどうなりますか?
相続を放置すると、相続人が亡くなり、さらに次の相続が発生する可能性があります。その結果、配偶者や子供、甥姪など関係者が増え、遺産分割協議や不動産の名義変更が難しくなります。最初は簡単だった相続が、数年後には非常に複雑になるケースも少なくありません。

〇数次相続では配偶者も相続人になりますか?
数次相続では、亡くなった相続人が持っていた相続権を、その相続人の家族が引き継ぎます。そのため、亡くなった相続人の配偶者も権利義務承継人として関係することがあります。この点は、子供だけが引き継ぐ代襲相続との大きな違いです。

〇数次相続になった場合は専門家へ相談したほうがいいですか?
数次相続では、戸籍収集や相続関係の整理が複雑になるため、専門家へ相談したほうがスムースに進むケースが多くあります。特に相続人が多い場合や、兄弟姉妹相続が絡む場合は、関係整理だけでも大きな負担になります。相続をさらに複雑化させないためにも、早めに相談しながら進めることが重要です。

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