やっと遺産分割協議を終えたと思ったら……
こうして相続手続きはやっと進み始めました。
英三さんと弘さんの相続は法定相続分通りに、そして俊夫さんの相続は、長女と次男の子どもたちには、それぞれ預金のみを法定相続分の4分の1ずつ、長男の子ども2人には、預金に加え、不動産の代償金として評価額の4分の1を支払うことで遺産分割協議を終えることができました。不動産は複数の業者に査定してもらい、その平均値を評価額として金額に換算することも了承してもらいました。
ただし、和夫さんからは、「代償金として4分の1を支払う代わりに、両親が埋葬されている墓には、今後一切関与しないでほしい」という条件が出されました。この件に関しても私と真一さんで調整し、光男さん家族の承諾を得ることができたので、「両親の墓には一切関与しない、管理を含め、和夫さん家族が責任を負う」という内容で私が覚書を作成、それぞれの家族でこの覚書を交わしたのです。
こうしてすべての遺産分割協議が成立して、英三さん、弘さん、俊夫さんの預金を解約、不動産の名義を和夫さんに変え、ほっとしたのもつかの間、今度は和夫さんが亡くなってしまいました。80歳でした。ただ、代償金を代襲相続人二人に支払うことは遺産分割協議で決まっていたので、奥様の静香さんが和夫さんに代わって、長男のお子さん2人に代償金を支払い、やっとすべての手続きを終えることができました。
気がつけば、最初の依頼から2年半が経っていました。 今回の案件について、あらためて一覧表にまとめてみました。
〇第一相続:被相続人大山英三さん(逝去時82歳男性、三男)
- 相続人
- ・兄 光男さん(長男。被相続人の死亡後に死亡したため、権利義務承継人として妻京子さんと子ども2人)
・弟 俊夫さん(四男。被相続人の死亡後に死亡。独身子どもなし)
・弟 和夫さん(五男。すべての遺産分割協議成立後に死亡)
・弟 弘さん(六男。被相続人の死亡後に死亡。独身子どもなし)
・甥(代襲相続 長女の子ども1人)
・甥(代襲相続 二男の子ども1人)
※六男弘さん、四男俊夫さんの権利義務承継人として長男光男さんの妻・京子さんと子ども2人、和夫さん、長女の子ども、二男の子ども
- 相続財産
- 預金900万円
〇第二相続:被相続人大山弘さん(逝去時72歳男性、六男)
- 相続人
- ・兄 光男さん(長男。被相続人の死亡後に死亡したため、権利義務承継人として妻・京子さんと子ども2人)
・兄 俊夫さん(四男。被相続人の死亡後に死亡。独身子どもなし)
・兄 和夫さん(五男。すべての遺産分割協議成立後に死亡)
・甥(代襲相続 長女の子ども1人)
・甥(代襲相続 二男の子ども1人)
※六男弘さん、四男俊夫さんの権利義務承継人として長男光男さんの妻・京子さんと子ども2人、和夫さん、長女の子ども、二男の子ども
- 相続財産
- 預金2,200万円
〇第三相続:被相続人大山光男さん(逝去時90歳男性、長男)
- 相続人
- 妻・京子さんと子ども2人
- 相続手続は依頼なし(孫が弁護士ということもあり自分たちで手続を行う)
〇第四相続:被相続人大山俊夫さん(逝去時81歳、四男)
- 相続人
- 弟 和夫さん(五男。すべての遺産分割協議成立後に死亡)
甥(代襲相続 長女の子ども)
甥(代襲相続 長男の子ども2人)
甥(代襲相続 二男の子ども)
- 相続財産
- 預金500万円、不動産時価評価額2500万円
〇第五相続:被相続人大山和夫さん(逝去時80歳、五男)
- 相続人
- 妻・静香さんと子ども1人
- 相続手続は依頼なし(他の相続人への分配手続サポートのみ行う)
あらためて書き出してみて、正直、よくまとめられたなと感慨を覚えます。
相続手続きの途中で新たな相続が発生することはままあることですが、ここまで続くことは初めてで、加えて、兄弟間に確執があったため、大変気を遣う案件でした。
お墓に関する覚書にも関与し、粘り強く話し合いを続けたことで、裁判にならずにすんだ案件だと思います。これからも私の強みである、「粘り強く諦めず」、をモットーに、いい相続のお手伝いをしてきたいという気持ちを新たにした案件でした。
終わり