司法書士
藤川健司
司法書士事務所 リーガル・アソシエイツの代表司法書士。三鷹市、武蔵野市、調布市、杉並区、中野区を中心に相続専門の司法書士事務所として、相続全般のサービスを提供。業務歴30年以上。弁護士事務所での実務経験、起業経験を活かして、これまでに2000件以上の相続案件を手掛ける。
CONTENTS
相続の問題は、ご家族によって大きく異なります。
相続人が分からない。
何十年も会っていない親族がいる。
遺言書が残されている。
行方不明の相続人がいる。
不動産の名義を何十年も変更していない。
障がいのある子どもの将来が心配。
会社を次の世代へ引き継ぎたい。
法律上は同じ「相続」であっても、その背景にある家族関係や事情は一つとして同じではありません。
「遺産相続物語」は、私が実際に携わった相続案件をもとに、問題がどのように生じ、どのような方法で解決への道筋を見つけたのかを紹介する実例シリーズです。現在、第20回まで公開しています。
ここでは、「どのようなことでお困りですか?」という視点から、20の物語をご案内します。
目次
相続手続では、まず被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認します。
その過程で、家族も知らなかった婚姻歴や子どもの存在が判明することがあります。
第1回|亡き夫に前妻との子どもがいた
夫の死後、妻が自ら戸籍を取得したことで、初めて前妻との子どもの存在を知りました。さらに、夫がその子や孫と交流を続けていたことも明らかになります。
こんな方に
再婚歴がある/前婚の子どもの存在が気になる/相続人調査に不安がある
第3回|妻名義の預金と、30年以上会っていない実子たち
妻名義の約3000万円の預金をめぐり、長年交流のなかった妻の実子たちが相続人として登場。預金の「名義」と「実質的な所有者」という問題にも向き合いました。
こんな方に
名義預金がある/再婚家庭である/疎遠な相続人がいる
第5回|最期まで支えた親族に相続権がなかった
亡くなった叔父を支えてきた甥と姪。しかし、法律上の相続人は40年以上会っていない実子でした。
こんな方に
疎遠な子どもがいる/相続人以外の親族に財産を残したい/長年介護してくれた人がいる
第10回|40年前に離婚した元夫が相続人になった
独身の息子が亡くなったことで、40年以上前に離婚し、長年音信不通だった父親が相続人となりました。
こんな方に
子どものいない相続/離婚した両親がいる/疎遠な相続人との調整が必要
相続では、「誰が一番近くにいたか」と「誰に相続権があるか」は必ずしも一致しません。
だからこそ、生前の準備が重要になります。
第2回|夫婦で築いた財産なのに、妻だけが相続できない
子どものいない夫婦が二人で築いた財産。しかし夫名義だったため、夫の親族にも相続権が発生しました。
こんな方に
子どものいない夫婦/兄弟姉妹や甥姪が相続人になる/配偶者に全財産を残したい
第4回|亡き妻の実子を探し出した夫
遺品から見つかった「へその緒」と写真をきっかけに、夫は亡き妻が長年会えなかった息子たちを探し始めました。
こんな方に
再婚家庭/前婚の子どもがいる/家族への想いを財産とともに残したい
第6回|30年間連れ添った内縁の夫に相続権がない
夫婦同然に暮らしていても、法律上の婚姻関係がなければ原則として相続人にはなりません。
こんな方に
内縁・事実婚の夫婦/パートナーに財産を残したい/遺言を作成していない
第7回|母の相続をきっかけに家族が再びつながった
20年以上絶縁状態だった父と息子たち。母の相続が、止まっていた家族の時間をもう一度動かすきっかけになりました。
こんな方に
家族と長年疎遠/相続人同士の関係が悪い/直接連絡することが難しい
遺言は有効な相続対策ですが、「一度作れば安心」ではありません。
家族関係や財産、ご本人の気持ちが変われば、内容の見直しも必要です。
第8回|夫婦関係が変わっても、15年前の遺言はそのままだった
夫婦仲が悪かった時期に作成した遺言。その後、夫婦関係が変化したにもかかわらず書き換えなかったことが、相続を複雑にしました。
こんな方に
何年も前に遺言を作成した/家族関係が変わった/財産内容が大きく変わった
第14回|ALSの夫が瞳で伝えた最後の意思
身体を動かすことも話すこともできなくなった夫が、透明文字盤を使って意思を伝え、公正証書遺言を作成しました。
こんな方に
病気や障がいがある/意思表示に困難がある/早めに遺言を準備したい
第15回|障がいのある息子の「親亡き後」を守る
母亡き後の息子の生活を守り、さらに息子の死後は残った財産を施設へ寄付するため、「遺言による信託」を活用しました。
こんな方に
障がいのある子どもがいる/親亡き後が心配/財産管理と最終的な承継先まで決めたい
相続人全員の協力が必要な手続では、一人でも連絡が取れない人がいると手続が止まることがあります。
しかし、事情に応じた解決方法があります。
第11回|12年間行方不明だった弟を探した先は病院だった
所在不明の弟を探し続け、ようやく辿り着いたのは緩和ケア病棟でした。
こんな方に
相続人と連絡が取れない/住所が分からない/長年行方不明の親族がいる
第16回|20年間行方不明の息子と失踪宣告
不在者財産管理人という選択肢もある中、母親は最終的に失踪宣告を選びました。
こんな方に
長期間行方不明の相続人がいる/不在者財産管理人を検討している/失踪宣告について知りたい
第17回|フィリピンに暮らす相続人を探す
戸籍から存在が判明したフィリピン在住の相続人。住所も連絡先も分からない状態から調査を始めました。
こんな方に
海外在住の相続人がいる/外国籍の相続人がいる/国際相続の進め方が分からない
第18回|父のフィリピン人の妻と、娘たちの相続
国籍や年齢差から生まれた先入観。しかし、実際に会い、話をすることで見えてきたものがありました。
こんな方に
外国人配偶者がいる/国際結婚した家族の相続/海外関係者との調整が必要
相続手続をしないまま時間が経過すると、相続人自身が亡くなり、その権利が次の世代へ引き継がれます。
時間が経つほど、相続人の数も手続の難易度も増していきます。
第12回|相続手続中に兄弟が次々と亡くなった
一つの相続が終わらないうちに新たな相続が発生。複数の相続が重なる「数次相続」の難しさを象徴する事例です。
第13回|相続が連鎖し、知らない相続人まで現れた
複数の死亡、見知らぬ相続人、自己破産など、さまざまな問題が同時に発生しました。
第19回|60年間放置した結果、相続人は40人に
昭和36年から名義変更されていなかった不動産。相続人は世代を重ねて40人まで増えていました。
こんな方に
昔の名義の不動産がある/相続登記をしていない/数次相続になっている/相続人が多数いる
経営者の相続では、個人財産だけでなく「会社を誰が引き継ぐのか」という問題があります。
特に自社株式を放置すると、会社経営そのものに重大な影響を及ぼすことがあります。
第9回|家族経営を守るための7年間
創業者の死後、会社の株式を分散させず、事業を甥たちへ引き継ぐために長期的な事業承継を進めました。
こんな方に
後継者が決まっている/自社株式を先代が保有している/親族内承継を考えている
第20回|相続放棄したはずの相続が戻ってきた
創業者の相続で子ども全員が相続放棄。しかし、その後の数次相続によって、放棄したはずの子どもたちに再び権利義務が巡ってきました。自社株式の承継を放置したことで、会社は融資停止の危機に直面します。
こんな方に
先代名義の自社株式が残っている/代表者だけ交代した/相続放棄と事業承継が絡んでいる
20の事例に共通しているのは、最初から「難しい相続」だったわけではないということです。
戸籍を調べて初めて分かったこと。
家族だから話せなかったこと。
何年も手続を先送りしてしまったこと。
遺言を書いたことで安心してしまったこと。
会社の経営は引き継いでも、株式を引き継いでいなかったこと。
小さな問題が、時間の経過によって大きな問題になることがあります。
一方で、複雑になった相続であっても、家族の背景を丁寧に確認し、一つずつ問題を整理することで、解決への道筋が見つかることもあります。
相続は「手続」ではありません。
その背景には、ご家族だけの歴史と、それぞれの人生があります。
「自分の家族にも似た事情がある」
「このままにしておいて大丈夫だろうか」 そう感じた物語がありましたら、ぜひ本編をご覧ください。
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